自然保育
森のたんけんたい
園長コバちゃんにインタビュー
–––森のたんけんたいはどんな経緯でできたのですか?
小林直美(以下コバ):1992年自然保育と出会ったことが大きいです。結婚後、出産で退職し、長男が1歳半になった時、元職場(名古屋女子大学附属幼稚園)の先輩のりこさんが「おさんぽの会」に誘ってくれたのがきっかけです。
–––おさんぽの会とは?
コバ:未就園児の自主保育サークルで名古屋市天白区近辺の自然の残る場所を週に2回お散歩していました。その頃は2年保育が主流だったので子どもが年少の頃は同じ学年の親子がプラス2日自主的に集まり交代で子どもを預け合い週4回自然の中ですごしていました。
–––そこからどのように森のたんけんたいにつながったのですか?
コバ:1997年、長男の小学校入学を機に実家のあった春日井市内に家を建てて引っ越してきました。
それまで4年半、仲間と自然の中で充実した毎日をすごしていましたが、春日井市に越してきてからは公園に行っても誰もいない、知り合いもいない、毎日新居で子ども(2歳の長女)と2人ですごす日々。半年ほどそんな生活を送っていたらひどい頭痛に悩まされるようになり、どこか悪いところがあるかと思い精密検査を受けに行ったのです。
–––検査の結果は?
コバ:どこにも異常なし。たぶん環境の激変によるストレスだったのだと思います。
その後自然の中で活動しているサークルがないかさがしましたが、その頃はまだ春日井市内にみつからず、旦那が「なければ自分で作ったら?」の一言で(あぁ、そうか、なければ自分で作ればいいんだ)と思い、その頃春日井市に初めてできた子育て支援センターに「おさんぽの会仲間募集」のポスターを貼りに行きました。
–––それが森のたんけんたいの始まりだったのですね。
コバ:はい、初めは未就園児親子の「おさんぽ」、2番目の子どもが小学生になる時に日曜日活動の親子自然体験「野遊び」(3歳〜小学生)、3番目の子どもが年少の時に3〜5歳児を毎日保育する「森のようちえん」を立ち上げました。
初めは3つの活動すべてを森のたんけんたいという団体として行っていましたが、森のようちえんを認可外保育施設として届け出る時に園名を「森のたんけんたい」とし、森のようちえんのみ法人化しました。
–––森のたんけんたいはどのような思いを持って運営されていますか?
コバ:わたしが初めて天白区のおさんぽの会に参加した時に自然の中で感じたワクワクした気持ち、自分の心と体が生き返るような感覚、仲間のお母さんに支えられ楽な気持ちで子育てができるようになったと同時に自分の好きなことを思い切り楽しめた経験から、「自然」と「仲間」の力が子育てには必要なんだと実感しています。
「自然」は子どもひとりひとりの興味や関心に応えられる素晴らしい環境です。内発的動機から生まれる遊びが大切と言われていますが、そのような環境を室内で人工的に用意するというのはとても大変なこと。でも子ども達を自然の中へ連れていけばそこには豊かな生きた環境がある。子どもの内なる自然が、森や里山の自然や命と共鳴し、心が動く体験がいっぱいできる。そこで毎日子ども達を自然の中へ連れ出しているのです。
「仲間」は子どもにとっても親にとっても大事な存在。人間は仲間がいなくては生きていけない存在なのだと思います。
森のたんけんたいですごす子どもや親たちが、ここで自分らしさを発揮し、いっしょにおしゃべりしたり、同じ釜の飯を食べたり、時には自分の思うようにいかない体験をしたり、うれしい気持ちやいろんな気持ちを安心して出せるそんな場所でありたいと思っています。
保護者の声
「森たんに決めたきっかけ」
園長こばちゃんに惹かれ入園しました。
誰に対しても自然体なこばちゃん。
子どもたちのそのままを受け入れて過不足なく接してくれます。
いつでも前を向いていて人生をとことん楽しんでいて、こうしたら楽しそう!ああしたらみんなが喜びそう!とワクワクしながら準備して保育しているから、大人も子どももいつも楽しそう。
また森の中でウクレレを弾きながら優しい澄んだ声で歌ってくれたり、保育現場での想いを繊細に奥深い文章でブログに綴ってくれるところも魅力。そんな逞しさも繊細さも兼ね備えたこばちゃんに、是非あいにきてください♪
年少児・卒園児母T
「大切なのは自分のやりたいことをどうやったら実現できるか自分で考え行動すること」
自主性を大切にする園の方針、こばちゃんのたのしいウクレレとキレイな歌声、そして通っている園児たちがとっても元気で生き生きとした姿に惹かれたからです。いくつか見学した中で1番元気でした。
大切なことは今いる環境でやりたいことをどうやったら実現できるか。自分で考え、行動すること、環境は条件のひとつ。
問題が起きても答えはいつもシンプルで即決で解決に向かうこばちゃんと、こばちゃんをフォローして支えてくれるスタッフの方々、天気や自然環境の変化に対応するように柔軟に日々の保育を続けて頂きありがとうございました。
森のたんけんたいを選んでよかった。
卒園児母A
「一生物の宝物の時間をもらった」
園に入れて良かったこと
子どもも私も
なかまが出来たこと。
私は引っ越しして公立の園から森のたんけんたいに入った。
友達も相談出来る人もいたが
私は孤独や違和感を感じていた。
そんな私が森のたんけんたいに入園して、子育てが楽しく充実した。
それは心開いて何でも話せる母達と一緒に子育てできている環境があるからだ。
何故人との関係性が濃くなるのか。
1つ目に、共有する時間が多いこと。
園の行事を母達と協力してつくりあげたり、園外でも降園後に遊んだり、仲が良いので休みにも遊びに出掛けている。
2つ目は子どもに対する価値観が似ていること。
お互い価値観が似ていると信頼した関係が築きやすい。
驚いたのは、他人の子も自分の子の様に注意をしたり、子ども同士のケンカを見守ること。
この園だからそういうことも出来たのかな。
こうして、お互い学び合い、受け入れ合いながら、成長させてもらい充実している。
一生物の宝物の時間をもらったかのように。
卒園児・年長児母P
「森たんに入れた決め手」
私は、遠方から“森のたんけんたい”への入園を決めた一人です。
幼児期には何が大切か、何を学べる園がいいだろう。
一人で黙々と物事に向かうことが好きな我が子に、ぴったりな園はないか。
様々な教育方針の園を20園近く見学させて頂いた中で、心が動いたのが“森のたんけんたい”でした。
自然の中で遊ぶ大切さは知っていたものの、自分が自然に詳しいわけでもなく、『森のようちえん』という自然の中で保育する幼稚園があることも知りませんでした。
そんな中、森たんの見学で一日同行させてもらった際の印象は、園長“こばちゃん”の凄さ。
そして、あるのは“自然”だけなのに、子どもたちがとても楽しそうで、満たされていること。創造力も、探究心も、意見や考えもしっかり持っている。ぶつかることがあっても、解決する力がついている。驚かされることばかりでした。
当時、人見知りだった息子も、泣き出すことなく、家へ帰宅してからも自然物で遊ぶなど、とても良い刺激を受けた様子でした。
先生方も、子どものペースを守りながら、要所要所で確実に子どもの学びや心のサポートもしてくれましたし、なによりも、子どもへの眼差しが愛に溢れていると感じました。この先生方になら、大切な我が子を安心して預けられると感じたのを覚えています。
「森たんですごしてみて感じる良さ」
自然の中での遊びが、子どもたちにとってどれほど大切か。ここに通っている子たちは、毎日変化している自然の面白さに、気づける感性がついてきます。
また、工作や、手仕事や、昔ながらの遊びや知恵を、知らず知らずのうちに教わったり、食べることだったり、生きることだったり。毎日五感をフルに使って、幼少期の土台として経験させてあげたいことばかりだと感じます。
また、この園では、本人の興味にとことん向き合う時間が確保されている為、集中力が自ずとついてきました。
先生方も自然のことに詳しい方ばかりで、我が子の知識や興味の幅も広がってきたと実感しています。
そして、子どもだけでなく、親である私も大いに成長させてもらっています。森のたんけんたいに集まってくるお母さんは、みんな個性があって、芯があって、困っていたら手を差し伸べてくれる温かい人たちです。本当に。
私は人付き合いが得意な方では無いし、入園前は不安もありました。でも、全然そんなことなかった!!
大人になってから、こんなに心を寄せられる仲間に出会えたことが本当に嬉しく、感謝でいっぱいです。
気づけば絆の深まっている親たち•先生たちに囲まれているからこそ、自分の子も、他の子も、我が子のように成長を喜んでみることが出来るし、安心して預けられています。
園長こばちゃんの音楽、ウクレレも、子どもの憧れであり、私の憧れでもあります。大人が本気で楽しんでいる姿を子どもに見せられる。それも大きな“森のたんけんたい”の魅力だと思います。
(年長児母M)
取材・書籍等
【TV出演】
2003〜2004年頃
メ〜テレワイド スーパーJチャンネル
「斎藤ノススメ」のコーナー
2012年11月
中京TV「すくすくキャッチ!」
レッド吉田さんが自然の中で感性を育てる「森のようちえん」密着取材
2014年9月
メ〜テレ「UP!」
子どもの可能性どう伸ばす?
〜保育・教育最新事情〜
【雑誌掲載】
2011年11月
雑誌「自給自足」
『田舎で子育て!』の特集に掲載
【書籍】
「森のようちえん 自然の中で子育てを」
今村光章編著 解放出版社
実践編にてコラム執筆
「日本の森のようちえん」
内田幸一編著 ミツイパブリッシング
森のようちえんを作った園長たちが語る
にて執筆
「ようこそ!森のようちえんへ」
今村光章編著 解放出版社
第一部 森の保育を語る 第5章 執筆
▶︎取材のお問い合わせはこちら
メール [email protected]
森のたんけんたい園長 小林まで
森のたんけんたい園長
小林直美プロフィール
岐阜県高山市にて高山祭の日に生まれる
(センス・オブ・ワンダーの著者
レイチェル・カーソンの没日)
幼少期は名古屋市緑区有松
小中学校は守山区小幡
高校1年から
高蔵寺ニュータウン石尾台にてすごす
名古屋市立向陽高校卒業
名古屋市立保育短大初等教育科卒業
(現在名古屋市立大学に統合)
名古屋女子大学付属幼稚園にて5年間勤務
1992〜1997年天白区自主保育サークル
「おさんぽの会」にて
自然の中で第一子と自然保育に浸かる毎日
1997年
高蔵寺ニュータウン近くに家を建てて転居
自然の中で子育てや保育を行う団体
森のたんけんたいを立ち上げる
2009年
森のようちえん全国交流フォーラムin愛知開催
(実行委員長)
2019年
森のようちえんの部を法人化し
認可外保育施設
「自然保育 森のたんけんたい」として届出
【資格】
幼稚園教諭免許
小学校教諭免許
保育士資格
ヤマハ音楽能力検定指導グレード
【趣味】
子ども達や仲間といっしょに何かをすることが好き
(歌、野外料理、自然の中ですごすこと)
森のたんけんたい主催のイベント
オープンDAY(未就園のお子さんと親対象)
「森のたんけんたい」オープンDAYは毎月第3水曜日
4/17、 5/15、6/19、7/17、8/21、9/18、10/16、11/20、12/18、1/15、2/19、3/19
森のたんけんたい入園案内と体験説明会
体験説明会を3/27、4/3、6/4、7/9、9/10、9/25に行います。
森のたんけんたい入園検討中の方は体験説明会、個別体験、オープンDAYのいずれかの体験にお越し下さい。
年度途中の入園・転園も受け付けています。
森のたんけんたいが保育料無償化の対象に
令和元年10月より、認可外保育施設となりました。自営や外勤等、保育の必要性が認定された方は、保育料のうち37,000円(月額)まで無償化の対象となります。
マルシェ参加のお知らせ(どなたでも参加可)
⚫︎9月16日 KOZOJI PLAT
高蔵寺駅北口のふれあい公園にて森のたんけんたいもワークショップを行います
「和紙で彩あそび」
折り染めでミニランタンを作りましょう
会員制の活動
私たちについて
1992年名古屋市天白区の自主保育サークル「おさんぽの会」で自然の中の子育てや保育の魅力を知った元幼稚園教諭コバが1997年、春日井市への引っ越しを機に我が子のために「森のたんけんたい」を立ち上げたのが始まりです。
「自然保育 森のたんけんたい」 (森のようちえん)
月~金曜日、3歳~5歳児の縦割りで有資格のスタッフが自然体験を基軸とした保育を行っています。2019年10月より認可外保育施設となりました。
「おさんぽ」(水曜日 未就園児親子自然遊び)
毎週水曜日、未就園児親子を対象に自然遊びの活動を行っています。保育経験、子育て経験、保育士資格のある自然に詳しいスタッフが森の中を案内します。野外炊事や自然物のクラフト作りなども行います。
「野遊び」(日曜日 3歳~小学生親子自然体験)
月に2回、日曜日、親子で自然体験を楽しみます。子どもの主体的な活動を大切にし、子どもたちが発見したものをみんなで観察したり、生き物とふれあったり、仲間同士のかかわりを大事にしています。